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動画・映像制作用語

【報道パン】

hodopan

「報道パン」とは、報道取材のカメラワークで使われる「素早いパンニング」のことです。

カメラワーク用語で正しく言うと「クイックパン」です。

このパンニング法で撮った画は、一般的なPRビデオの撮影では、すわ「事件か!?」という印象を与えるため使いようがありません。昔、報道(ビデオカメラマンがブライダルビデオ撮影のアルバイトをすると、この「報道パン」をして叱られている姿をよく目にしました。幾分、揶揄する意味で、一部の地域、一部の業界で使われていた用語です。



報道パンの概要


取材現場の状況と事件の核心を、1カットの短い時間の中に凝縮して見せます。具体的には、その場所全体の雰囲気を伝える広めの映像を1〜2秒映し出し、そこからあっという間にカメラを旋し、今日のニュースの焦点となる部分にズームインしてフィックスします。


ニュース番組の限られた放送時間の中で、取材VTRには極限までの簡潔さが求められるため、その結果として報道パンが生まれました。この技法では、パンニングの途中の映像が非常に速いため、何が映っているのかがほとんど判別できません。それは、その場所の状況と事件現場との間の「関係性」を示すことに重点が置かれているためです。



報道パンが減少した背景


最近、ニュース番組で報道パンを目にする機会が減ったように感じられます。テレビ放送がフルハイビジョンになり、高解像度でワイド画面になったためでしょう。さらに、取材現場にプロのカメラマンが同行する機会が減り、記者やディレクター自身がカメラを回すようになったことが影響していると考えられています。報道パンは、パンニングと同時にズームやフォーカスを動かし、狙った場所でぴたりと止めるという、非常に高度な技術を要します。プロのカメラマンでさえ、何度かテイクを重ねる技だからです。


報道パン

​【関連用語】

1. クイックパン


報道パンの正式名です。カメラを素早く一気に振り切る撮影技法です。被写体の動きを追う際や、ある場所から別の場所に急いで視線を誘導したい時に使われます。パンニングの途中はブレて見えるため、映像としては認識されませんが、その素早い動きによって、状況の急激な変化や、遠く離れた二つの要素の関係性を瞬間的に示す効果があります。特にニュース報道などで、短い時間で多くの情報を伝える必要のある場面で多用されます。



2. ホイップパン


カメラを非常に速く回転させるパンニング技法を指します。クイックパンとほぼ同義ですが、カメラを振り切るところまでは採用されないのが普通です。その速さゆえに映像がブレ、残像のような効果が生まれるので、視覚的な瞬間の切り替わりや、ある場所から別の場所への意識の急激な移行を表現するのに効果的です。特に、ドラマチックな展開や時間や場所の急な変化を暗示したい時に用いられ、視聴者の注意を一瞬で引きつけ、次のシーンへの期待感を高めることができます。



3. 縦パン


カメラを垂直方向にパンニングすることを、「縦パン」と言い、上にパンニングすることを「パンアップ」、下にパンニングすることは「パンダウン」と言います。



4. チルト


カメラを垂直方向にパンニングする、つまり上下に動かすカメラワークを、近年「チルト」とも呼びます。

縦パンと同義で使われます。デジタル一眼カメラ撮影や、アクションカメラ(GpProやドローン、ジンバルカメラなど)のカメラワークに関する記述が拡散・拡大解釈され、インターネットと生成AIのエコーチェンバーによって定着した用語です。



5. パン


カメラワークのひとつで、その場でフレーミングAからフレーミングBにカメラを向けることです。カメラを向ける方向は、縦横斜めすべてです。しかし、近年では「カメラを固定した状態で、レンズを水平方向(左右)に動かす基本的なカメラワークです。」という解釈が主流になりつつあります。

 

 

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