動画・映像制作用語
【キー】
key
「キー」は、連続する画像に連続的に効果をかける際に、その効果をかける範囲を示すために特定した要素のことです。
映像編集ソフトを使って編集操作をしていると、このキー(key)という言葉が頻繁に登場します。キーとはまさに鍵という意味ですが、この技術を「鍵」を想像しながら理解しようとすると混乱が起きます。私が日本語にするならば、キーは「基準」と言い換えます。
1. キーイングにおける基準
キーイングでは、特定の色(クロマキー)や輝度値(ルミナンスキー)を「キー」として指定し、その範囲を透明化することで、別の映像との合成を可能にします。つまり、「キー」は、効果を適用する範囲を特定するための要素となります。
例:緑色の背景を「キー」として指定し、その部分を透明化して別の背景映像と合成する。
特定の輝度値を持つ部分を「キー」として指定し、その部分を透明化して別の映像を重ね合わせる。
2. キーフレームにおける基準
キーフレームでは、特定の時点におけるオブジェクトの位置、形状、色などの情報を「キー」として記録します。キーフレーム間の変化は、ソフトウェアが自動的に補間するため、「キー」は、効果を適用する時間的な範囲を特定するための重要な要素となります。
例:キャラクターが歩き始める時点と歩き終わる時点を「キー」として記録し、その間の動きをソフトウェアに補間させる。
映像のエフェクトが開始される時点と終了する時点を「キー」として記録し、その間のエフェクトの変化をソフトウェアに補間させる。
3. マスクにおける基準
映像編集ソフトなどでは、合成のためのマスクを作成する際に、特定の範囲を「キー」として指定して切り抜いたり、効果を適応させたりします。マスクは、映像の一部分を切り抜いたり、特定のエフェクトをかけたりする際に使用します。この場合も「キー」は効果を適応させる範囲を決める要素となります。
【関連用語】
1. クロマキー合成 (Chroma Keying)
概要: 特定の色(主に緑や青)を透明にし、別の映像や画像と合成する技術です。
背景を特定の色で撮影し、その部分をソフトウェアで透明にすることで、あたかも別の場所にいるかのような映像を作成できます。
用途: 天気予報の背景合成、映画の特殊効果、バーチャルスタジオ、オンライン会議の背景合成など。
2. ルミナンスキー合成 (Luminance Keying)
概要: 映像の輝度(明るさ)に基づいて特定の部分を透明にし、別の映像と合成する技術です。
特定の明るさを持つ部分を「キー」として指定し、その範囲を透明化します。
用途: 炎や煙などの特殊効果、文字テロップの合成、古い映像の修復など。
3. キーフレームアニメーション (Keyframe Animation)
概要: 時間軸上の特定の時点(キーフレーム)におけるオブジェクトの位置、形状、色などの情報を記録し、その間の変化をソフトウェアが自動的に補間する技術です。
連続する画像に連続的に効果を掛ける時に、その効果を掛ける範囲を示すために特定した要素です。
用途: キャラクターのアニメーション、映像のエフェクト、トランジション、モーショングラフィックスなど。
4. マスク処理 (Masking)
概要: 映像の一部分を切り抜いたり、特定のエフェクトをかけたりするために、映像の一部を覆い隠す技術です。
映像編集ソフトなどでは、マスクを作成する際に、特定の範囲を「キー」として指定して切り抜いたり、効果を適応させたりします。
用途: 不要な部分の削除、特定の部分への色調補正、合成時の境界線の調整など。
5. ロトスコープ(Rotoscoping)
概要: 実写映像の各フレームをトレースし、アニメーションを作成する技術です。
この技術は、実写映像の動きを正確にアニメーションに反映させるために使用されます。
用途: アニメーションと実写の合成、特殊効果、アニメーション制作など。