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映像制作を発注する企業担当者のための言葉の解説です。
ミックスダウン
複数のトラックに記録された音声や映像の素材を、音量や質感などを調整しながら、最終的な一つのコンテンツ、または意図のあるグループにまとめる作業を指します。
古くは1インチとか2インチもある磁気テープを使用した、8ch、16chなどのマルチトラックのテープレコーダー(MTR)で記録された音声を、楽器グループごと、あるいは完成版としてステレオや4chの音声に仕上げる作業を言いましたが、デジタルになった現在でも、さまざまな場面で概念的には同じミックスダウン作業をしています。
ミックスダウンは主に複数の音源を一つにまとめるという意味合いで使われます。
映像制作におけるミックスダウン
映像制作工程にいおけるMA作業でも、複数の音声トラック(セリフ、効果音、BGMなど)のバランスを調整し、一つの音声ファイルにまとめる作業をミックスダウンと呼ぶことがあります。音楽制作におけるミックスダウンと基本的な考え方は同じです。
音楽制作におけるミックスダウン
音楽制作の最終段階の一つで、複数のトラックに録音された音源(楽器、ボーカルなど)の音量、音質、定位(左右の聞こえ方)、エフェクトなどを調整し、一つのステレオまたはサラウンドの音声ファイルにまとめる作業のことです。

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
デジタルのミックスダウン
1. 独立トラックの調整を終える
マルチトラック(音楽)やマルチ素材(映像MA)に対して、音量、パンニング、EQ、リバーブ、ダイナミクス、定位、空間表現 などすべての調整を行う
各トラックの 独立性と完全同期 を前提に、最終形を設計する
2. 最終形を「固定する」
調整した結果を ひとつのステレオ/マルチチャンネル/フォーマットに「書き出す」
この時点で、自由に操作できる個別トラックの情報は 「編集可能な状態」ではなくなる、つまり 最終的な表現をリスナーや観客に届ける段階 がミックスダウン
3. 書き出し=完成形
音楽CD用のステレオマスター、映画の5.1chマスター、VPのステレオ音声など、ここで書き出された音が 「誰が聴いても同じ音像として体験される音」 になる
アナログ(テープ)時代のミックスダウン
1. 調整と書き出しが同時
マルチトラックテープの各チャンネルの 音量、パンニング、エフェクト(リバーブ・ディレイなど)をリアルタイムで操作
調整しながら、同時に ステレオマスターやサラウンドマスターのテープに記録
つまり、フェーダーを動かす・リバーブを掛ける → その音が即マスターに反映
2. 不可逆的
調整ミスやバランスの問題は 元に戻せない
必要なら 最初からやり直す か、マルチトラックテープに戻って再調整する
この制約のため、ミックス作業は非常に 集中力と正確性が求められた
3. 一発勝負的なクリエイティブ
デジタルでは「後から無限にやり直せる」
アナログでは フェーダー操作・エフェクトのタイミング・演奏のバランスをリアルタイムで決める必要があった
そのため、ミキシングエンジニアの腕が色濃く反映される
