動画・映像制作用語
【カットアウェイ】
cutaway
「カットアウェイ」とは、メインとなる映像の流れを一時的に中断し、別の映像を挿入する編集手法のことです。
1. カットアウェイとインサートの違い?
カットアウェイ:メインの映像から一時的に離れ、別の映像を挿入する。
インサートカット:メインの映像の流れの中で、関連する詳細な映像を挿入する。
という説明がされることがありますが、私の解釈はこのふたつは同じ趣旨であると考えています。あるカットの次に挿入されるのが場所も時間も違う映像であったとしても、「関連しない」ということはあり得ないからです。なんらかの目的を持って接続する映像は、主人公の過去であったり内面であったりという関連性があるからです。あるいは「無関係である」という関連性を示している場合もあると考えるからです。
ある用語解説では、カットアウェイとインサートを上記のように説明しておきながら、例示しているカット割が混同していたりします。この論議はあまり意味がないですね。
2. カットアウェイの目的と効果
場面転換や時間経過の表現
会話シーンで登場人物の表情を挟むことで、感情の変化や時間の経過を表現できます。
状況の説明や補足
メインのシーンに関連する小物や背景を映すことで、状況を分かりやすく説明したり、補足したりできます。
視聴者の注意を引き、興味を維持
単調な映像に変化を加えることで、視聴者の集中力を維持し、飽きさせない効果があります。
登場人物の心理描写
登場人物が見ているものを映したり、回想シーンを挿入することで、心情をより深く表現できます。
不要な部分の削除
編集したい映像で不要な部分がある場合に、カットアウェイを挿入することで不要な部分を削除し、スムーズな映像にすることが可能です。
3. カットアウェイの例
インタビュー映像で、話者の表情だけでなく、話の内容に関連する資料映像を挟む。
料理番組で、調理中の手元のアップや食材の映像を挿入する。
ドラマで、登場人物の回想シーンや心情を表す風景を挿入する。
【映像編集の基礎知識】
映像のカット割りとつなぎの基本
映像編集の基礎知識(1)スクリーン・ダイレクション
映像編集の基礎知識(2)カット・アウェイ
映像編集の基礎知識(3)ジャンプ・カット
映像編集の基礎知識(4)コンティニュイティ編集
【カット割とはなにか】
動画・映像制作におけるカット割とは何か
カット割りの実際 - 基本的な手法と考え方
カット割りの応用と実践 - より豊かな表現のために
映像制作における言語とカット割
【カメラワークとカット割】
【関連用語】
1. インサートカット (Insert Cut)
メインの映像の流れを中断せずに、関連する詳細な映像を挿入する編集手法です。例えば、料理番組で調理中の手元のアップを挿入したり、インタビュー映像で資料映像を挟むなどが該当します。カットアウェイと似ていますが、インサートカットはあくまでメインの映像の流れの中での補足的な役割を担います。
2. ジャンプカット (Jump Cut)
同一の映像内で、時間や場所が不自然に飛ぶように編集する手法です。意図的に時間経過や混乱を表現するために使われることがあります。ただし、多用すると視聴者に不快感を与える可能性があるため、注意が必要です。
3. モンタージュ (Montage)
複数の短い映像を組み合わせ、特定のテーマや概念を表現する編集手法です。時間経過や状況の変化を象徴的に表現するために使われます。例えば、主人公の成長過程を短い映像の連続で表現するなどが該当します。
4. トランジション (Transition)
映像と映像のつなぎ目に挿入する視覚効果のことです。カット、ディゾルブ、ワイプなど様々な種類があり、場面転換をスムーズにしたり、映像にリズム感を与えたりする効果があります。
5. コンティニュイティ (Continuity)
映像の連続性を指し、時間、場所、人物、小道具などが場面間で矛盾なく繋がっている状態のことです。コンティニュイティが保たれていると、視聴者は物語に没入しやすくなります。