自社で企画・絵コンテまで作ったあとに確認したい|映像制作発注前のチェックポイント
- 神野富三

- 2 時間前
- 読了時間: 4分
映像づくりが大衆化し、企業映像であっても「自分たちでできる」と考える発注担当者は確実に増えています。実際に、企画・シナリオ・絵コンテまでを自社で作成し、制作工程のみを映像制作会社に依頼するというケースも珍しくなくなりました。この進め方は、自社の意図を正確に反映できるという点で、とても合理的です。
一方で、実務の現場ではもう一つの傾向も見られます。
それは、その企画や絵コンテが、どこまで現実的に実現可能なのかという検証が十分でないまま進んでしまうケースです。
発注前に一度立ち止まって確認しておきたいポイントを整理します。
発注前チェック①:その表現は、実際の条件の中で成立するか
絵コンテに描かれている内容が「技術的に可能かどうか」だけでなく、現実の制作条件の中で成立するかという視点が重要です。
特に実写の場合は、
ロケーションの確保が可能か
季節や天候に左右される内容になっていないか
撮影時期によって成立しないカットが含まれていないか
といった要素も大きく影響します。
また、特殊な演出が含まれる場合には、
機材やスタッフの手配
安全管理
撮影許可
など、見えにくい前提条件が数多く存在します。

発注前チェック②:表現手法による違いを整理できているか
同じ内容でも、
実写で撮影するのか
アニメーションで表現するのか
CGを用いるのか
によって、制作の進め方は大きく変わります。
たとえば、
実写は撮影条件に大きく左右される
アニメーションは制作期間が長くなりやすい
CGはクオリティ次第で工数が大きく変動する
といった違いがあります。
CGやアニメーション、インフォグラフィックは、ベースとなるデザインのクリエイティブプロセスについて、クリエーターのキャスティングや、コスト、時間を考慮することを忘れてはなりません。
絵コンテの段階で、この前提が曖昧なままだと、見積もりやスケジュールにズレが生じやすくなります。
発注前チェック③:スケジュールに現実性があるか
公開日から逆算して、
準備期間
制作期間
確認・修正期間
が適切に確保されているかを確認します。
特に、修正工程は想定より時間がかかることが多く、また天候など外的要因の影響を受ける場合には、予備日も必要になります。
また、社内の検修プロセスを予め確認しておくことも忘れずに。
発注前チェック④:役割分担が整理されているか
自社と制作会社の間で、
どこまでを自社で行うのか
どの工程から制作会社に任せるのか
が明確になっているかも重要です。
素材の準備や原稿作成、手配業務など、細かな役割の認識がずれると、進行に影響が出る可能性があります。
発注前チェック⑤:前提が変わった場合の対応を想定しているか
予算やスケジュールの制約によって、当初の企画をそのまま実現できない場合もあります。
その際に、
優先すべき要素は何か
別の方法で目的を達成できるか
といった視点をあらかじめ持っておくことで、柔軟に対応できます。
また、社員インタビューや職場を撮影を行う場合は、本人の承諾はもちろん、退職後の扱いなども事前に確認しておく必要があります。さらに、社内資料と思っていた写真に、第三者の著作権が絡んでいる場合もありますので、細心の注意が必要です。
そして、もっとも確実な進め方
ここまでのポイントを整理することで、発注時のリスクは大きく減らすことができます。
ただし実際には、これらをすべて自分だけで判断するのは容易ではありません。
そのため、もっとも確実な方法は企画の段階から映像制作会社に相談することです。
この段階であれば、
実現可能性を踏まえた企画調整
予算と表現のバランス設計
無理のないスケジュール構築
起こり得るリスクの予見と対策
といった対応を前提に、全体を組み立てることができます。
まとめ
映像制作の大衆化によって、自社で企画・絵コンテまで作成することは一般的になりました。その一方で、実現可能性の検証が不十分なまま進んでしまうリスクも存在します。
発注前に一度、
実現条件
表現手法
スケジュール
役割分担
を整理しておくこと。
そして、必要に応じて企画段階で専門家の視点を取り入れること。
それが、無理のない、確実な映像制作につながります。








