「表示520万回、クリック率0.4%」AI Overview時代に起きている“ノークリックSEO”の現実
- 神野富三

- 20 時間前
- 読了時間: 3分
ここ半年ほどで、弊社の映像制作用語辞典ページは「AI Overview」によって大きく露出が増えました。Google Search Consoleを見ると、直近1年間の表示回数は 約520万回。
しかしクリック率は 0.4%。
つまり、表示されているのにほとんどクリックされていないという状態です。いわゆる「ノークリック検索」が、データとしてはっきり表れています。
弊社が「映像制作会社の用語辞典」を公開している理由
注:昨年10月下旬のスパイクは、百田尚樹氏の「ダッチアングル」発言によるもの

この現象自体は珍しいものではないようです。「用語解説」や「〜とは」という検索では、検索結果ページに表示されるAI要約や強調スニペットだけでユーザーの疑問が解決してしまうことが多いからです。
ただし問題は、そこではありません。
多くの企業サイトでは、
用語辞典
ブログ記事
ナレッジコンテンツ
などで検索流入を増やそうとします。
グラフが表しているように実際に、表示回数や順位は伸びます。
しかしそれが、会社サイトの本来の目的である「地域名+業種」で検索する顧客の獲得に直結するかというと、実はほとんど関係がありません。
たとえば、弊社サイトのトップページが狙っている検索は「映像 制作会社 名古屋」といったローカルクエリです。
この検索をする人は、
名古屋で映像制作会社を探している
具体的な発注を検討している
複数の会社を比較したい
という、明確な依頼意図を持っています。
一方で、用語辞典ページに訪れる人はまったく違います。
たとえば
パンとは
カットバックとは
トラックバックとは
といった検索です。
これらの検索をする人は、
動画制作を学んでいる学生
映像制作の初心者
言葉の意味を調べたい人
などが中心で、制作会社を探している人ではありません。つまり検索意図が、根本的に違います。
検索エンジンは、この違いを非常に強く認識しています。
そのため、どれだけ用語辞典の記事が評価されても、
「映像 制作会社 名古屋」
「動画制作会社 名古屋」
といった検索結果に、その評価がそのまま影響することはほとんどありません。
SEOではよく「サイト全体の評価」という言葉が使われますが、実際には
検索意図
コンテンツの種類
ページの役割
ごとに、評価はかなり細かく分かれています。
用語辞典が評価されるのは、「意味を調べる検索」の領域です。
一方で、制作会社のトップページが評価されるのは「会社を探す検索」の領域です。この二つは、同じサイトの中にあっても、検索エンジンの中では別の問題として扱われます。そのため、
用語辞典の記事が何百万回表示されても
何百個のキーワードで上位を取っても
それだけで「映像 制作会社 名古屋」という検索順位が上がることは、基本的にはありません。むしろ用語辞典のEEATが上がると、ページ全体が用語解説サイトと誤認され、ローカル及び商業的なクエリで順位がぶっ飛ぶ危険性さえあります。実際、昨年夏には10位前後にいた弊社株式会社SynAppsのTOPページは、今現在「映像 制作会社 名古屋」で83位(パーソナライズあり)に沈んでいます。
むしろ最近では、AI Overviewの普及によって、用語解説型コンテンツは「表示されるがクリックされない」という傾向がさらに強くなっています。
つまり、表示回数だけを見ているとサイトが成長しているように見えても、実際の問い合わせや案件につながる検索とは、別の場所で評価が積み上がっている可能性があるのです。
企業サイトのSEOを考えるとき、本当に重要なのは「どれだけ表示されたか」ではなく、「どの検索意図に対して表示されているか」という点に注目すべきです。








