センターカット
映像制作用語辞典 | 株式会社SynApps
「センターカット」とは、横長のアスペクト比の映像(例:シネマスコー プの2.39:1や一般的な16:9)を、アスペクト比が縦長のディスプレイ(例:4:3)で画面いっぱいに表示するために、映像の左右を固定的に切り取る処理を指します。
2.39:1(シネマスコープ)などの映画用アスペクト比から放送用の比率に変換する際によく使用されます。常に映像の中央部分だけを切り出します。
かつてワイドスクリーンの映画を4:3のテレビで放送する際によく用いられました。映像全体を画面に収める「レターボックス」とは異なり、画面の余白をなくすことを優先します。しかし、この方法では、映像の左右に配置された重要な情報や、監督が意図した構図が切り取られて失われてしまうという大きな欠点があります。そのため、制作者の意図を尊重する現代の映像制作や配信では、極力避けられるべき手法とされています。撮影時からセンターカットセーフを考慮した構図取りが必要になることもあります。
「サイドカット(Pan & Scan)」の一種(センター固定)とも言えます。

【関連情報】
1. レターボックス
横長映像(16:9など)を縦長ディスプレイ(4:3など)で表示する際に、映像の上下に黒い帯が入る状態。映像の縦横比を完全に維持し、情報が失われることはありません。封筒の窓のように見えることから名付けられました。制作者の意図を尊重する表示方法です。
2. サイドパネル
縦長映像(4:3など)を横長ディスプレイ(16:9など)で表示する際に、映像の左右に黒い帯が入る状態。映像の縦横比を保ち、情報欠落はありません。柱のように見えることから「ピラーボックス」とも呼ばれます。過去のコンテンツを現代のテレビで見る際によく見られます。
3. サイドカット
横長映像(16:9など)を縦長ディスプレイ(4:3など)で画面いっぱいに表示するために、映像の左右を切り取る処理全般を指します。「センターカット」はサイドカットの一種です。映像内容に合わせて切り取る部分を調整することがありますが、映像情報が失われる点は共通です。過去のテレビ放送で用いられましたが、制作者の意図を損なうため現在は避けられています。
4. ピラーボックス
縦長映像(4:3など)を横長ディスプレイ(16:9など)で表示する際に、映像の左右に黒い帯が入る状態。映像の縦横比を保ち、情報欠落はありません。「サイドパネル」と同義です。