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フルショット

フルショット(Full Shot, 略称:FS) は、被写体(特に人物)を頭から足先まで(全身)が画面内に収まるように撮ったショットで、被写体の全身を画面に収めること、その全身と周囲の空間(背景・環境)をある程度見せるのが一般的です。物や乗り物でも「全体を画面に収める」意味で使われます。

フルショットが使われる場面(用途別)


1. 登場シーン/導入
登場人物をシルエット的に見せたり、立ち位置・服装・身体言語を一目で示すとき。


2. ウォーキング/移動を見せる場面
歩く全身のリズムや歩幅、地面との接触を明示する。


3. 群像の見せ場(複数人)
例えば「並んで立つ」場面で複数人全員を収める際に使う。個別の顔の情報は少ないが集団の関係性を示す。


4. 衣装・ファッション撮影
衣装の全体像を見せるために必須。ファッションカットの基本ショットの一つ。


5. アクション確認/演技の振り付け
俳優の身体全体の動きや位置関係(マーク、向き)を確認・指導する。リハーサル撮影でも多用。


6. マスターショット(カバー用)
シーン全体を収める“マスター”としてフルショットを撮影。編集でのつなぎに使う(カット割りの基礎)。


7. インタビュードキュメンタリーのバリエーション
通常はミディアムショットだが、場面転換や環境説明のために全身ショットを挿入することがある。


8.商品カット

人物以外でも、CMや商品映像で「商品全体を見せるカット」としてフルショットが使われることがあります。特に商品のディテールではなく、サイズ感・全体形状・使われる環境との関係を見せたい場面で「フルショット」の考え方が適用されます。


9.建物などの全景

建築・空間などを映像化する場合には、では用途に応じた別の名称(全景ショット・ワイドショットなど)を使うこともあります。



フルショットと他のショットとの対比


  • ロングショット(Long Shot, LS)/ワイドショット
    被写体が画面に小さく映り、背景の占有が大きい。フルショットは被写体の全身を視認しやすいサイズで収める点で区別。


  • ミディアムショット(MS)
    腰〜胸あたりから上を映す。表情や上半身の動きにフォーカスする。


  • クローズアップ(CU)/アップ
    顔などの細部に寄る。感情表現を強調する。
    → 実務では「LS→FS→MS→CU」と段階的に寄せるカバレッジを撮ることが多い(カバレッジの階層)。※カバレッジ:予備的に撮影しておくこと



構図上(フレーミング)の注意点


全身が入ることだけでなく、適切な上下左右の余白(フットルーム/ヘッドルーム/リードルーム)を確保する。足先ギリギリにすると不安定に見える。通常は足先と画面下端に少し余裕を持たせる。


カメラ高さ

目線(アイレベル)で撮る場合が多いが、低め(ローアングル)で撮れば威圧感、やや高めで撮れば小さく見せるなど印象操作が可能。


被写体の向き

正面・斜め・横向きで印象が変わる。動きがある場合は進行方向にリードスペースを与える。


縦構図/横構図

用途に応じて。縦(スマホ向け)は全身を収めるためにより広角寄りにする必要がある。


アスペクト比

シネマ(2.39:1)だと上下が切られるため、頭と足が切れないか注意。

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撮影時のチェックリスト

  1. 被写体の全身が確実にフレームに入っているか(ジャンプや歩行の振り幅を考慮)。

  2. 頭と足に適切な余白があるか(足先が切れていないか)。

  3. カメラ高さ=演出意図に合っているか(目線/大きさ/威圧感)。

  4. レンズの歪み(広角歪み)で顔や手足が不自然に見えていないか。

  5. 背景との距離(被写界深度)で被写体が背景に埋もれていないか。

  6. 照明が全身に均等に当たっているか(顔だけ照らすと脚が暗くなる場合あり)。

  7. 動きのあるショットならブレ対策(シャッタースピード、スタビライザー)を確認。

  8. 編集を想定して大・中・小のカバレッジ(LS/FS/MS/CU)を撮る。

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