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動画・映像制作用語辞典 | 名古屋映像制作研究室

レジリエンス

「レジリエンス(Resilience)」とは、単に危機から立ち直るだけでなく、予期せぬ変化や困難、不確実性に対して、企業や組織が適応し、回復し、さらにはそれを乗り越えて成長していく能力を指します。

単なる危機管理やリスクマネジメントを超えた、より積極的で動的な概念です。ビジネスに関連する映像コンテンツ、特にIRビデオを企画制作する我々BtoB映像制作会社が、理解しておくべき現代ビジネス用語のひとつです。



なぜ今、レジリエンスが重要なのか?


現代のビジネス環境は「VUCA」(Volatility: 変動性、Uncertainty: 不確実性、Complexity: 複雑性、Ambiguity: 曖昧性)と呼ばれるほど、予測が困難で変化が激しい特徴を持っています。


グローバル化とサプライチェーンの複雑化

パンデミック、地政学的なリスク、自然災害などが、国境を越えたサプライチェーンに甚大な影響を与えるようになりました。


技術革新の加速

新しい技術が次々と登場し、既存のビジネスモデルを破壊する可能性があります。


気候変動と自然災害の増加

事業活動に直接的な影響を与える自然災害のリスクが増大しています。


サイバー攻撃の脅威

事業継続を脅かすサイバーセキュリティリスクが高度化・多様化しています。


社会情勢の変化

政治システムの世界的な右傾化による、カントリーリスクの増大。少子高齢化、労働力不足、価値観の多様化などが、企業の経営戦略に大きな影響を与えます。


このような環境下で、企業が持続的に成長し、競争力を維持するためには、従来の「リスクを避ける」という守りの姿勢だけでなく、「変化に適応し、強くなる」という攻めのレジリエンスが不可欠となっています。



レジリエンスを構成する主な要素



1. 事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)の強化

災害、システム障害、パンデミックなどの緊急事態発生時に、中核となる事業を中断させない、または早期に復旧させるための具体的な計画。
ポイント

想定されるリスクの特定、代替施設の確保、データのバックアップ、緊急連絡体制の整備、従業員の安否確認と行動指針の明確化。


2. サプライチェーンの多角化・強靭化

特定の国やサプライヤーに依存せず、調達先を複数持つ、代替経路を確保するなど、サプライチェーンの脆弱性を低減する。
ポイント

サプライヤーのリスク評価、在庫管理の最適化、国内生産回帰(レショアリング)や近隣国への移転(ニアショアリング)の検討。

3. 財務的健全性と柔軟性

予期せぬ費用や投資に耐えうるだけの十分な資金力や財務基盤を持つ。
ポイント

健全なキャッシュフロー、適切な負債比率、非常時資金の確保、迅速な資金調達能力。

4. 組織の俊敏性(アジリティ)と適応能力

市場や環境の変化に迅速に対応し、戦略やビジネスモデルを柔軟に修正できる能力。
ポイント

フラットな組織構造、迅速な意思決定プロセス、クロスファンクショナルなチーム編成、従業員の多様なスキルと学習意欲。

5. 人材と組織文化

困難な状況下でも高いパフォーマンスを発揮できる、強靭な従業員と、変化を恐れず挑戦する文化。
ポイント

従業員の心身の健康サポート、多様な働き方の推進(リモートワークなど)、リーダーシップの強化、オープンなコミュニケーション、学習と成長を奨励する文化。

6. テクノロジー活用とサイバーレジリエンス

クラウド化によるシステムの分散、データのバックアップ、高度なサイバーセキュリティ対策を通じて、システム障害やサイバー攻撃からの回復力を高める。
ポイント

セキュリティ対策の常時更新、インシデント対応計画、AIを活用した脅威検知。

7. 顧客・ステークホルダーとの関係性強化

危機発生時でも、顧客、パートナー、株主などとの信頼関係を維持し、協力を得られる関係を築く。
ポイント

透明性の高い情報開示、迅速なコミュニケーション、相互理解に基づく長期的な関係構築。


レジリエンスの構築プロセス


リスク評価と脆弱性の特定

自社が直面しうる内外のリスクを洗い出し、どこに脆弱性があるかを評価します。


戦略と計画の策定

特定された脆弱性に対し、具体的な対応策や計画を策定します。


投資とリソースの配分

レジリエンス強化に必要な人材、技術、資金を適切に配分します。


訓練とテスト

策定した計画が実際に機能するかどうかを定期的に訓練やテストを通じて検証します。


モニタリングと改善

常に環境の変化をモニタリングし、レジリエンス戦略を継続的に見直し、改善していきます。


レジリエンスは、単なるコストではなく、不確実な時代における企業の「成長エンジン」であり、「競争優位性の源泉」であると認識されています。これにより、企業は予期せぬ事態を乗り越えるだけでなく、そこから学び、新たな価値創造へと繋げることができるようになると考えられています。

<h1 class="font_0">レジリエンス</h1>

​【関連用語】

映像制作・ビジネスのソリューションとしてキーワードとなるビジネス用語


1. SDGs(エスディージーズ)


Sustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」と訳されます。

2015年の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき国際社会共通の目標です。貧困や飢餓、教育、ジェンダー平等、気候変動など、地球が抱える喫緊の課題を解決し、「誰一人取り残さない」持続可能な世界を目指すため、17の目標と169のターゲットが設定されています。政府、企業、個人、あらゆる立場の人が協力し、行動することが求められています。



2. DX(デジタルトランスフォーメーション)


意味

デジタル技術(AI、IoT、クラウドなど)を活用して、企業がビジネスモデル、組織文化、プロセスなどを根本的に変革し、競争優位性を確立すること。単なるIT化ではなく、ビジネスのあり方そのものを見直す戦略的な取り組みを指します。


ソリューションとしての意義

業務効率化、新たな顧客体験の提供、新規事業の創出、データに基づいた意思決定の強化など、企業の競争力を高めるための基盤となります。多くの企業がこの変革を推進しており、その成功が今後の成長を左右すると考えられています。


3. エコシステム(Eco-system)


意味

生物学の「生態系」を引用した概念で、特定のビジネスや産業を取り巻く、相互に関連し、協力し合う多様な企業、組織、個人、技術などの集まりを指します。


ソリューションとしての意義

現代ビジネスは、複雑化、オープンイノベーションの進展、プラットフォーム経済の台頭、そしてDX推進という大きな変化に直面しています。単一企業では解決が難しい課題が増え、高度な価値提供には複数の企業や技術の連携が不可欠です。エコシステムは、これら多様な要素が相互作用し、共創することで新たな価値を生み出す基盤となります。


4. データドリブン経営(Data-Driven Management)


意味

経験や勘だけでなく、収集・分析された客観的なデータに基づいて、意思決定や戦略立案を行う経営手法。企業内の様々な活動から得られるビッグデータを活用し、事業の最適化や新たな価値創出を目指します。


ソリューションとしての意義

マーケティング施策の最適化、製品開発の改善、顧客行動の予測、サプライチェーンの効率化、リスク管理など、あらゆるビジネスプロセスにおいて、より正確で迅速な意思決定を可能にします。DXの推進と密接に関連しており、データ活用能力が企業の競争力を左右する重要な要素となっています。



5. パーパス経営(Purpose-Driven Management)


意味

企業の存在意義や社会的な役割(パーパス)を明確にし、それを軸として経営戦略、製品・サービス開発、組織文化などを構築していく考え方。単なる利益追求ではなく、何のために事業を行うのかという根源的な問いを重視します。


ソリューションとしての意義

従業員のエンゲージメント向上、顧客からの共感獲得、社会的な課題解決への貢献、長期的なブランド価値向上など、企業が持続的な成長を実現するための羅針盤となります。特にミレニアル世代やZ世代の従業員・消費者にとって、企業のパーパスが重要な判断基準となる傾向があります。



6. サステナビリティ(Sustainability)/ ESG(環境・社会・ガバナンス)


意味・サステナビリティ

企業が長期的に存続・成長するために、環境保護、社会貢献、経済活動のバランスを考慮する「持続可能性」の概念。


意味・ESG

企業が持続的に成長するために考慮すべき「環境(Environmental)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」の要素。投資家が企業の評価を行う際の重要な指標となっています。


ソリューションとしての意義

環境規制への対応、企業のブランドイメージ向上、消費者や投資家からの信頼獲得、新たなビジネス機会の創出(例:再生可能エネルギー、循環型経済)など、企業の社会的責任と経済的価値の両立を図るための重要な戦略です。



7. CSR(シーエスアール)


意味

企業の社会的責任 Corporate Social Responsibility の略語で、事業活動を通じて社会的価値を創造し、ステークホルダーとの信頼関係を構築することにあります。これは単なる慈善活動ではなく、持続可能な経営戦略の中核を成すものです。


意義

企業の長期的競争力強化につながります。環境配慮や労働環境改善、地域貢献などの取り組みは、優秀な人材の確保、顧客ロイヤルティの向上、投資家からの評価向上をもたらします。また、リスク管理の観点からも重要で、社会的問題への適切な対応により、レピュテーションリスクや法的リスクを軽減できます。

さらに、ESG投資の拡大により、CSRは資金調達にも直接影響します。持続可能な事業モデルを構築することで、新たな市場機会の創出や技術革新の促進も期待できます。結果として、CSRは企業価値向上と社会課題解決を同時に実現する戦略的取り組みです。



8. GX(ジーエックス)


意味

Green Transformation の略語で、温室効果ガスを大量排出する経済社会構造から、クリーンエネルギー中心の構造へと変革すること。脱炭素化と経済成長の両立を目指し、産業・生活様式全般にわたる抜本的な転換を指します。


意義

新たな技術革新や産業創出を促し、国際競争力の向上、雇用機会の拡大、国民生活の質の向上へと繋がる。日本の未来を拓く変革であり、地球温暖化対策の喫緊の課題解決と、持続可能な社会・経済の実現に不可欠な活動です。企業イメージ向上、新規事業創出、コスト削減、資金調達優位性、リスク低減、優秀な人材確保に繋がり、持続的成長と競争力強化を実現する経営戦略のひとつでもあります。


 

 

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