タイムコード
映像や音声データに付与される時間情報のことです。映像の各フレームに一意の番号が割り当てられており、時間軸上の正確な位置を示します。この番号を見ることで、映像のどの部分なのかを正確に特定できます。
タイムコードとは?
タイムコードは、映像や音声データに付与される時間情報のことです。まるで映画のフィルムに刻まれたコマ番号のように、映像の各フレームに一意の番号が割り当てられており、時間軸上の正確な位置を示します。この番号を見ることで、映像のどの部分なのかを正確に特定できるのです。
タイムコードの役割
編集の効率化
複数のカメラで撮影された映像や、音声トラックを正確に同期させることができます。
シーンの特定
どのシーンが何秒何フレームにあるのかを正確に把握できます。
効果音や音楽の挿入
映像と音声をぴったりと合わせる際に、タイムコードが重要な役割を果たします。
複数のスタッフとの連携
編集者や音響スタッフなど、複数のスタッフが同じタイムコードを参照することで、スムーズな作業が可能になります。
タイムコードの表示形式
一般的に、タイムコードは「時:分:秒:フレーム」という形式で表示されます。
時: 映像の開始からの経過時間を時間単位で表します。
分: 時の単位以下の経過時間を分単位で表します。
秒: 分の単位以下の経過時間を秒単位で表します。
フレーム: 秒の単位以下の経過時間をフレーム単位で表します。
例えば、「01:23:45:24」と表示されていれば、映像の開始から1時間23分45秒24フレーム経過した時点を表します。
タイムコードの種類
ドロップフレーム(DF)タイムコード
1分が59.94フレームで構成される方式で、NTSC規格の映像によく使われます。
ノン・ドロップフレーム(NDF)タイムコード
1分が60フレームで構成される方式で、PAL規格の映像によく使われます。
レックランタイムコード
記録開始から連続してカウントされるタイムコードで、再生装置ごとに異なる場合があります。
フリーランタイムコード
外部信号に同期せずに、機器内部の時計で生成されるタイムコードです。

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。
映像制作会社としての視点
タイムコードの重要性
複数の素材を組み合わせたり、長時間の映像を編集したりする際には、その重要性が際立ちます。特に複数台のカメラで同時に撮影した素材を編集する場合、タイムコードがないと、映像の正確な位置を特定することが難しくなり、編集作業が非常に困難になります。
1. 「レックラン」が担保する素材の純粋な連続性
カメラが回っている間だけ時間が進む「レックラン」は、主に単独のカメラで素材を収録する際に真価を発揮します。 撮影したクリップを順番に並べた際、途切れることなく時間が連続するため、「その日の撮影分が全部で何分あるのか」という総収録時間を一目で把握することができます。
2. 「フリーラン」によるマルチカム撮影の効率化
一方で、複数台のカメラを同期させる現場では、実時間と同じように刻み続ける「フリーラン」が不可欠です。 すべてのカメラを「24時間形式」などの共通の時刻に同期(Jam Sync)させておけば、各カメラが「いつ、どのタイミングで」撮影したのかという「時間軸の座標」が完全に一致します。
もしタイムコードがバラバラであれば、編集者は演者の「拍手の音」や「フラッシュの光」を頼りに、1フレーム単位で手動でタイミングを合わせるという、膨大な単純作業を強いられることになります。
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関連用語など
1. ジャムシンク (Jam Sync)
複数の機材間でタイムコードを同期させる技術です。マスターとなる機器(通常はタイムコードジェネレーター)から、スレーブとなる機器(カメラやオーディオレコーダーなど)にタイムコード情報を送信し、同じ時刻情報で記録を開始します。特にマルチカメラ撮影や、映像と音声を別々に収録する場合に重要です。最近の機材では、無線でのジャムシンク機能を搭載しているものも増えており、より柔軟な運用が可能になっています。ただし、各機器の内部クロックにわずかなズレが生じる可能性があるため、長時間の撮影では定期的な再同期が推奨されます。撮影現場では、タイムコード担当者がこれらの管理を行います。
2. ドロップフレーム (Drop Frame)
29.97fpsのNTSC方式で使用される、時刻表示の補正方式です。実際の時間とタイムコードの時間のズレを調整するため、定期的にフレーム番号をスキップ(ドロップ)します。具体的には、毎分の最初の2フレーム(ただし10分ごとの先頭を除く)を飛ばすことで、実時間との同期を保ちます。放送や納品において正確な時間管理が必要な場合に使用され、タイムコードの末尾にセミコロン(;)を表示して区別します。一方、音楽制作などでは、フレーム数の連続性が重要なため、ノンドロップフレームが使用されることが一般的です。
3. フリーラン/レックラン (Free Run/Rec Run)
タイムコードの進み方を指定するモードです。フリーランは電源を入れた時点から連続的にタイムコードが進み続けるモード、レックランは録画時のみタイムコードが進むモードです。フリーランは複数台のカメラで同時収録する際に使用され、撮影開始・停止のタイミングが異なっても時刻の整合性を保つことができます。一方、レックランは単独での撮影や、素材の整理を容易にしたい場合に使用されます。両モードの特性を理解し、撮影状況に応じて適切に選択することが重要です。
4. VITC/LTC (Vertical Interval Time Code/Linear Time Code)
映像信号に記録されるタイムコードの2つの方式です。VITCは映像信号の垂直帰線消去期間に記録され、静止画でも読み取り可能です。LTCは音声トラックに記録される縦続的なタイムコードで、高速での読み取りが可能です。デジタル機器では両方式を併用することが一般的で、編集時の柔軟性を確保しています。また、メタデータとしてファイルに埋め込まれるタイムコード情報は、これらのフォーマットを基準としています。ポストプロダクションでは、これらのタイムコード情報を活用して効率的な編集作業を行います。
5. タイムコードブレイク (Timecode Break)
タイムコードの連続性が途切れることを指します。撮影中のバッテリー切れ、誤操作、機器の不具合などが原因で発生し、編集作業に支障をきたす可能性があります。特に長時間の収録や、複数の素材を組み合わせる編集では、タイムコードブレイクの有無を慎重にチェックする必要があります。また、意図的にタイムコードを不連続にする場合(例:日をまたぐ撮影で毎朝0時から開始する場合など)は、proper記録や撮影報告書での明確な記録が重要です。編集時には、タイムコードブレイクの位置を確認し、必要に応じて再生成や調整を行います。
