top of page

映像制作見積書の要点1「企画・シナリオ」

更新日:3月20日

企画とは何か


BtoBで制作する映像(動画)における「企画」とは、単なるアイデアではありません。

大きく分けると、次の4つで構成されます。

  • 題材:何を扱うのか(会社・商品・サービスなど)

  • 目的/訴求テーマ:視聴者にどう認識してほしいのか

  • 視点/切り口/方法:それをどのような映像手法で実現するのか

  • 成果目標:その映像によって何を達成するのか

この4つが揃って、初めて「企画」と呼べる状態になります。



企画は自社でも作れるが、不完全になりやすい


発注者側で企画を作れば、企画費は不要になります。題材や目的については、自社の方がよく理解しているため、ここまでは大きな問題は起きません。

しかし問題は、

  • 視点(どう見せるか)

  • 成果(本当に達成できるか)

の部分です。

映像という媒体の特性を踏まえないまま設計すると、「意図は正しいが、実現できない企画」になりがちです。



映像には“できること・できないこと”がある


BtoB映像は広い意味では広告物ですが、紙媒体とはまったく異なる制約を持っています。

例えば、

  • 情報量を詰め込みすぎると理解されない

  • テレビ的な演出がそのまま機能するとは限らない

  • 説明的すぎると離脱される

といった問題です。

この「媒体特性」を理解していないと、企画の段階で破綻します。



企画は“検証”しなければ実現可能かわからない


ここが最も重要なポイントです。

企画は、思いついた時点ではまだ仮説に過ぎません。それが実現可能か、そして本当に成果につながるのかを検証して、初めて企画として成立します。

この検証を省略すると、

「なんとなく成立しているが、どこかおかしい映像」

が出来上がります。

じつは、このパターンは巷で非常に多く発生しています。



検証とは「シナリオを頭の中で完成させること」


企画の検証とは何をすることか。

結論から言えば、

実際に映像シナリオを成立させてみることです。

紙の上の企画ではなく、

  • どんなカットが並ぶのか

  • どの順番で情報を出すのか

  • そのシーンは撮影・制作可能か

を、ディレクターが具体的にイメージできていなければ検証とは言えません。

場合によっては、

  • ロケハンを行う

  • CGのテストをする

といった作業も必要になります。



検証が終わっていれば、制作はほぼ始まっている


ここまで検証が進んでいれば、実質的には

「もう作れる状態」

まで来ています。

つまり、

  • 企画

  • 検証

  • シナリオ設計

は分離された工程ではなく、ほぼ一体の作業です。

当然ながら、この工程には時間も労力もかかります。



だから「企画費」は発生する


この段階まで作り込んだ内容は、制作見積書では

  • 企画費

  • 脚本費

として計上されます。

もしこの工程を無料で提供しているとすれば、それは

  • 検証が不十分か

  • 企画の重要性を軽く見ているか

のどちらかです。

よくある誤解は、「企画があるかどうか」が重要だという考え方です。

しかし実際には、検証されているかどうかの方がはるかに重要です。



企画とは「作る前に、作ってみること」


企画とはアイデアではありません。また、きれいに整理された資料のことでもありません。

作る前に、頭の中で作品を完成させてみる作業です。

ここまでできていれば、制作はほぼ成功します。逆にここが曖昧なまま進めば、どれだけ撮影や編集に手間をかけても、結果は安定しません。


映像制作見積書の要点1「企画・シナリオ」
映像制作見積書の要点1「企画・シナリオ」

【関連記事】

映像制作を発注する企業担当者のための情報発信です。

TomizoJInno.jpeg

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

最新記事

bottom of page