映像制作見積書の要点1「企画・シナリオ」
- 神野富三

- 2024年6月20日
- 読了時間: 3分
更新日:3月20日
企画とは何か
BtoBで制作する映像(動画)における「企画」とは、単なるアイデアではありません。
大きく分けると、次の4つで構成されます。
題材:何を扱うのか(会社・商品・サービスなど)
目的/訴求テーマ:視聴者にどう認識してほしいのか
視点/切り口/方法:それをどのような映像手法で実現するのか
成果目標:その映像によって何を達成するのか
この4つが揃って、初めて「企画」と呼べる状態になります。
企画は自社でも作れるが、不完全になりやすい
発注者側で企画を作れば、企画費は不要になります。題材や目的については、自社の方がよく理解しているため、ここまでは大きな問題は起きません。
しかし問題は、
視点(どう見せるか)
成果(本当に達成できるか)
の部分です。
映像という媒体の特性を踏まえないまま設計すると、「意図は正しいが、実現できない企画」になりがちです。
映像には“できること・できないこと”がある
BtoB映像は広い意味では広告物ですが、紙媒体とはまったく異なる制約を持っています。
例えば、
情報量を詰め込みすぎると理解されない
テレビ的な演出がそのまま機能するとは限らない
説明的すぎると離脱される
といった問題です。
この「媒体特性」を理解していないと、企画の段階で破綻します。
企画は“検証”しなければ実現可能かわからない
ここが最も重要なポイントです。
企画は、思いついた時点ではまだ仮説に過ぎません。それが実現可能か、そして本当に成果につながるのかを検証して、初めて企画として成立します。
この検証を省略すると、
「なんとなく成立しているが、どこかおかしい映像」
が出来上がります。
じつは、このパターンは巷で非常に多く発生しています。
検証とは「シナリオを頭の中で完成させること」
企画の検証とは何をすることか。
結論から言えば、
実際に映像シナリオを成立させてみることです。
紙の上の企画ではなく、
どんなカットが並ぶのか
どの順番で情報を出すのか
そのシーンは撮影・制作可能か
を、ディレクターが具体的にイメージできていなければ検証とは言えません。
場合によっては、
ロケハンを行う
CGのテストをする
といった作業も必要になります。
検証が終わっていれば、制作はほぼ始まっている
ここまで検証が進んでいれば、実質的には
「もう作れる状態」
まで来ています。
つまり、
企画
検証
シナリオ設計
は分離された工程ではなく、ほぼ一体の作業です。
当然ながら、この工程には時間も労力もかかります。
だから「企画費」は発生する
この段階まで作り込んだ内容は、制作見積書では
企画費
脚本費
として計上されます。
もしこの工程を無料で提供しているとすれば、それは
検証が不十分か
企画の重要性を軽く見ているか
のどちらかです。
よくある誤解は、「企画があるかどうか」が重要だという考え方です。
しかし実際には、検証されているかどうかの方がはるかに重要です。
企画とは「作る前に、作ってみること」
企画とはアイデアではありません。また、きれいに整理された資料のことでもありません。
作る前に、頭の中で作品を完成させてみる作業です。
ここまでできていれば、制作はほぼ成功します。逆にここが曖昧なまま進めば、どれだけ撮影や編集に手間をかけても、結果は安定しません。









