動画制作「素人の編集とプロの編集」違いはシナリオの有無
- Tomizo Jinno
- 1月9日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前
たしかに、私も映像業界に入るまえには、この部分がいちばん難しそうに思い、入門する際のハードルになっていました。ですから、新たに映像編集を学ぼうとする人が、この課題に興味を持つことは自然なことかも知れません。
でもお教えしましょう。編集技能は映像制作に真剣に関わっていけば、自然と身に付くものです。映像という、もうひとつの言語を習得するまでの試練です。
つなぎ・トランジションになぜこだわる?
ことカットとカットのつなぎ方(トランジション)は、作り上げようとしている映像のシナリオ、文脈において選択されるものであって、原則的に「カット編集」で違和感がなければ、それがいちばん上等だと私は考えています。どうしてもその2カットを繋ぎたいけれど、意図する文脈にならない時に、オーバーラップ(ディゾルブ)やワイプなどで時間や場所を移動させる、などのトランジションエフェクトを使うものだと思います。
スムーズなつなぎ、違和感がないつなぎとは
どんなに異なるカットであっても、つながらないカットなどというものはありません。視聴者が違和感やぎこちなさを感じるのは、その切り替わりの意図が不明な場合です。シナリオ上でシーンが切り替わっているならば、場所も人も時間も、まったく異なるカットを持ってきても構わないのです。
「ねばならぬ」などありません。肝心なのはシナリオでありストーリーです。
音楽に乗せて美しい風景やアクティブなスポーツを見せたいときでも同様です。単に美しくカッコイイ映像をつないでいるだけなら、つなぎはスムーズな方がいいに決まっていますか?そんなことはありません。
制作者、編集者であるあなたの構想の中にストーリーがあるなら、ビシバシジャンプカットでつないだってOKです。
違和感、それは視聴者がその編集から文脈が読み取れない時に起こるものです。それはもしかしたら視聴者の理解力が足らないだけかも知れないし、あなたの編集が間違っているのかも知れません。けれど、その編集された映像に自分が満足したなら、それでいいじゃありませんか。
意味がない映像を編集するなら
ただ、ひとつだけ言っておきたいのは、描きたい文脈がないような編集はするなと言うことです。意味がない映像を編集するならば、たしかに「より自然に」「よりスムーズに」「より違和感なく」編集した方がいいでしょう。ただし、そうした単一なイメージの連続映像は、視聴離脱可能性が極めて高いものだということも忘れないで欲しいものです。
編集のルールを学ぶには
冒頭に「映像という、もうひとつの言語を習得すれば」と書きましたが、ジャンプカット編集やテロップを飛ばすことばかりやっていては、映像の文法は見えてきません。
必ず自分なりのシナリオ(ストーリー)を用意して、撮影した素材を使って、そのシナリオを映像作品にするというプロセスを繰り返すことが大切です。シナリオなしで編集しているだけでは、文法はなかなか見えてきません。編集のルールとは、その指示書であるシナリオとセットで学ぶものだからです。

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