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映像制作見積書の要点3「撮影」

更新日:3月20日

撮影費用の幅はなぜ大きいのか


BtoBのPR映像における撮影費用は、数十万円で収まるものから、数百万円規模まで大きく振れます。

その理由は単純で、

「あるものを撮るか」「無いものを作って撮るか」

この違いに尽きます。



「あるものを撮る」場合はシンプル


企業の工場やオフィスなど、「そこに既に存在しているもの」を撮影する場合、必要な要素は限られます。

  • ディレクター

  • カメラマン(+アシスタント)

  • 撮影機材

  • 交通費・雑費

天候や時間の制約も少なければ、予備日を設定する必要もありません。この場合、撮影は比較的シンプルに成立します。



撮影は「1日単位」でカウントされる


撮影に関わる人員や機材は、基本的に「日単位」でカウントされます。

原則は1日8時間程度(例:9時〜18時)。たとえ半日で終わる内容であっても、その日に別の案件を入れることは難しいため、1日分として計上されます。

実際の現場では長時間になることもありますが、見積もり段階で残業を前提に組むことは通常ありません。



「無いものを撮る」と一気に膨らむ


一方で、「今そこに無いもの」を撮ろうとすると、費用は一気に膨らみます。

例えば、

  • 出演者(キャスティング・拘束)

  • 撮影スタジオの手配

  • セットや美術の制作

  • 衣装・メイク・スタイリング

  • 小道具の調達

といった要素が一つずつ積み上がっていきます。

「絵に描いたような部屋で、人物が微笑む」といった一見シンプルなカットでも、実現するためには多くの準備とコストが必要になります。



画面に映るものはすべてコストになる


重要なのはここです。

画面に映る要素は、すべて調達コストに変換されるということです。

例えば、

  • 特定のロケーション

  • 特定の衣装や小道具

  • 特定の人物像

これらはすべて、「用意する」という工程を経て初めて成立します。

つまり、ディレクターが頭の中で描いた映像の内容が、そのまま見積金額に反映されます。



正確な見積は「絵コンテの後」にしか出せない


この構造を踏まえると、本来の順序はこうなります。

  1. シナリオを作る

  2. 絵コンテを描く

  3. 必要要素を洗い出す

  4. 見積を出す

つまり、正確な見積は絵コンテが完成しないと出せないのです。



それでも先に見積が出る理由


しかし実際のBtoB案件では、

  • 先に予算が決まり

  • その範囲で企画・シナリオ・絵コンテを作る

という順序になることがほとんどです。

この場合、ディレクターは「予算内で成立する画」を前提に設計します。逆に言えば、最初に決まった予算が、映像の内容を規定することになります。



だからプロデューサーの管理が重要になる


シナリオや絵コンテが固まる前に見積が必要になる以上、

  • どこにコストがかかるか

  • どこを削るべきか

  • どこは削ってはいけないか

を判断し続ける必要があります。

これは現場の感覚だけでは対応できず、全体を俯瞰したマネジメントが不可欠です。



撮影費用は「何を撮るか」で決まる


撮影費用は、カメラや人件費の問題ではありません。

何を画面に成立させるか

その設計によって決まります。


映像制作見積書の要点3「撮影」
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【執筆者プロフィール】

株式会社SynApps 代表取締役/プロデューサー。名古屋を中心に、地域企業や団体のBtoB分野の映像制作を専門とする。プロデューサー/シナリオライターとして35年、ディレクター/エディターとして20年の実績を持つ。(2026年1月現在)

映像制作を発注する企業担当者のための情報発信です。

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執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

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