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fps(エフピーエス)

Frames per secondの略語で、フレームレートと言われる、1秒間に表示される静止画(フレーム)の数を表す単位です。

意味



よく使われるfps


  • 24fps:映画の標準。やや「映画らしい」質感。

  • 30fps:テレビや一般的な動画で多い。自然で聞き慣れた動き。

  • 60fps:スポーツやゲーム、滑らかさが重要な映像で使用される。

  • 120fps以上:スローモーション撮影用。


影響するもの


  • 映像の見え方(滑らかさ・臨場感)

  • ファイルサイズや編集負荷(fpsが高いほど重くなる)

  • スローモーションの作りやすさ


映像制作会社としての視点


FPS(フレームレート)と視聴心理の関係性



1. 文化的な「刷り込み」によるジャンルの既視感


24fpsが「映画的」で、60fpsが「テレビ・生中継的」に感じられる最大の要因は、私たちのこれまでの視聴経験による学習が大きいと考えられます。


  • 長年「高貴な娯楽=映画=24fps」「日常の情報=テレビ=60i/30p」という環境で育った結果、脳がそれぞれの質感を特定のジャンルに結びつけて解釈している側面があります。


  • したがって、この先「高フレームレート(HFR)」の作品が増えれば、次世代の視聴者にとっては60fpsが「最も没入できる映画的質感」に変わる可能性もあります。



2. 「情報量」と「解釈」のトレードオフ


fpsが高くなるほど、時間軸上の情報密度は増しますが、それが必ずしも「深い没入」に繋がるとは限りません。


  • 低fpsの余白: 24fpsのような低いフレームレートは、情報が適度に欠落しているため、視聴者の脳がその間を補完しようと能動的に働きます。この「脳の参加」が、実写を絵画や物語のように抽象化し、詩的な印象を生む一助となっていると考えられます。


  • 高fpsの明瞭さ: 60fps以上では、動きの細部が克明に描写されます。これはスポーツやアクション、VRにおいては「リアリティ」を向上させますが、一方で「細部が見えすぎる」ことが、フィクションにおける「作り物(セットや小道具)」の違和感を際立たせてしまうリスクもあります。



3. 「動体視力」と「疲労」のバランス


視聴者の身体的な反応も無視できません。


  • 被写体の動きが非常に速い場合、低fpsではストロボ効果(カクつき)が目立ち、視覚的なストレスや目の疲れを引き起こすことがあります。


  • 逆に、動きの少ない対談などで高fpsを用いると、肌の質感や微細な表情の変化が生々しく伝わりすぎるため、視聴者が「落ち着かない」「緊張する」といった心理状態になることもあります。



結論としてのfps選択


fpsの選択は「24だから映画になる」といった魔法の数字ではなく、「映像内の情報密度を、視聴者の脳にどう処理させたいか」という意図の表明です。


  • 抽象化・物語化を優先するなら、情報の欠落を許容する低めの設定。


  • 正確性・実体験性を優先するなら、情報の連続性を重視した高めの設定。


制作者は、提示する情報の「ナマ度(鮮度)」をコントロールする手段として、fpsを戦略的に選択していると言えます。

Tomizo JIinno

執筆者・神野富三
株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

​大学時代のラジオ番組の構成演出に始まり、映像ディレクター・プロデューサーとして、40年以上の業界経験を基に映像業界に関する知見を発信しています。

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fps(エフピーエス)を解説するイメージ(監修・神野富三)

​関連用語など

1. ドロップフレーム


29.97fpsなど、端数のあるフレームレートでタイムコードを扱う際の時間調整方式です。30fpsのタイムコードから一定の法則で特定のフレーム番号を飛ばすことで、実時間との誤差を補正します。主に放送用途で使用され、1時間あたり約108フレームを飛ばすことで時間のずれを解消します。長時間の収録や放送で実時間との同期が必要な場合に重要となり、特にNTSC方式の映像システムで標準的に使用されています。



2. プルダウン


24fpsの映画フレームレートを30fpsのテレビフレームレートに変換する技術です。2-3プルダウンとも呼ばれ、2フレームと3フレームを交互に挿入して変換します。映画コンテンツをテレビ放送する際に必要な処理ですが、動きのカクつきなどの画質劣化を伴うため、近年ではプログレッシブ放送の普及により、使用機会は減少しています。



3. ハイフレームレート


60fps以上の高速なフレームレートでの撮影・再生を指します。スポーツ中継やアクション性の高いコンテンツで使用され、滑らかな動きの表現が可能です。120fps、240fpsなど、さらに高速なフレームレートも実用化されています。データ量が増大するため、記録媒体や伝送帯域の確保が重要な課題となり、撮影から出力まで一貫した対応が必要です。



4. バリアブルフレームレート


撮影時にフレームレートを可変させる機能です。通常の速度から高速撮影まで、シーンに応じて最適なフレームレートを選択できます。スローモーションやクイックモーションの表現を撮影時に作り込むことが可能で、特にドラマやCMの演出で重要な技術として使用されています。編集時の時間調整とは異なる、独特の質感を得られます。



5. フレーム補間


既存の映像に中間フレームを生成して挿入する技術です。低フレームレートの映像をより滑らかに再生するために使用され、特にスポーツ中継やゲーム映像で効果を発揮します。AI技術の発展により、より自然な補間が可能になっていますが、不自然な動きが生じる可能性もあり、コンテンツの性質に応じた適切な使用が求められます。

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