キューシート
放送番組のタイムスケジュールを秒単位で管理する一覧表ないしは、VTRの記録内容をタイムコードと共に書き込んだ一覧表です。(詳細は以下)
番組進行用のキューシートは、与えられた時間枠の中を、ディレクター、タイムキーパーが項目を割り振って作成したタイムスケジュールで、番組の進行を管理するための書類(データ)です。
VTRの記録内容としてのキューシートは、ショットあるいはクリップ毎のタイムコードとともに、その内容をわかりやすい言葉で説明した記述の一覧表です。収録済みテープ(データ)やテレビ局への入稿用VTR(データ)に付属されます。「録画記録」とも言います。
映像制作会社としての視点
録画記録としての「キューシート」
かつてのENG取材では撮影内容を、撮影しながら、あるいは休憩中、終了後に、「録画記録」としてカットの内容とタイムコードをテープ(ロール)ごとに書き記し、その紙をテープの箱に入れていました。これはVEやカメラアシスタントが、休憩中や終了後にVTRを再生しながら作成していました。
私が勤めていたプロダクションでは、この用紙には「キューシート」というタイトルが印刷されていました。撮影テープに添えるのであれば、やはり「録画記録」が相応しいと思いますが、同業者もこの用紙を使っていた記憶があります。
現代のENG事情は少人数体制でありながらハードワークのため、この録画記録が作成される現場は多くないようです。撮影素材がデジタル動画ファイルとして保存される今は、ショット(ファイル)ごとにサムネイルが生成されるため、テープ時代ほど、素材の探索が難しくないという事情もあるかも知れません。
執筆者・神野富三
株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー
大学時代のラジオ番組の構成演出に始まり、映像ディレクター・プロデューサーとして、40年以上の業界経験を基に映像業界に関する知見を発信しています。
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関連用語など
録画記録としてのキューシート(撮影記録)に書き込まれる情報は、主に編集作業を効率化し、撮影内容を正確に把握・管理するためのものです。番組進行用のキューシートとは目的が異なるため、記録される情報も異なります。
タイムコード (TC)
撮影開始からの経過時間や、素材の絶対的な位置を示す重要な情報です。編集時に特定のシーンを正確に呼び出すために不可欠です。IN/OUT: 各カットの始まり(IN)と終わり(OUT)のタイムコードを記録します。
尺(Duration)
各ショットの長さをタイムコードで記録します。
カットナンバー (CN)
撮影された順に振られる番号で、素材を整理・管理する際に役立ちます。
被写体・内容
画面に映っている人物、物、場所、状況などを具体的に記録します。「〇〇インタビュー」「△△のアップ」「□□(場所)の風景」のように記述します。
画角
撮影された映像のショットサイズ(ロング、ミディアム、アップなど)を記録します。
カメラワーク・動き
カメラの動き(パン、ズームなど)や被写体の動きを記録します。
音声
収録されている音声の内容(出演者のセリフ、効果音、環境音など)や、マイクの種類、音声レベルの特記事項などを記録します。
テイク
同じような内容を複数回撮影した場合のテイク数を記録します。「テイク1」「NG テイク2」のように記述します。
NG・OK
そのカットがOKテイクかNGテイクかを明記します。NGの場合は、その理由や状況を簡単に記録することもあります。
特記事項・メモ
撮影時の状況、注意点、編集時に考慮すべき点など、上記項目以外で重要な情報を記録します。「逆光強め」「風の音入り」「〇〇さんの表情が良い」など。
レンズ
使用したレンズの種類や焦点距離を記録することがあります。
フィルター
使用したフィルターの種類を記録することがあります。
ロケーション
撮影場所を具体的に記録します。

