動画・映像制作用語
【盗む】
nusumu
「ぬすむ」とは、あるシーンをカットを割って撮影する際に、次のカットでは、前のカットで撮影したフレーム内の人や物の位置関係を変更して撮影することで、よりリアルであったり、効果的な演出をすることを言います。
これは我々のような企業ビデオ制作においては、例えば撮影先の役員室で1台のカメラでインタビュー撮影をした後で、インサート撮りのためにカメラを移動させたら、どうしても微妙な位置に家具が見切れてしまうので、家具をわらって撮影することを言います。あるいは別角度からの構図がどうしても寂しい画になるので花瓶の位置をずらして入れる、と言う場合に使います。編集して繋いだ時に違和感がなく、むしろスッキリする、わかりやすいという場合に利用する方法です。
拡大解釈?
インサート素材のために、そこに無いものを撮ることを「盗む」というディレクターがいました。この用法はちょっと違うような気がしますが、いずれにしても事実に無いことを持ってくることから「盗む」という表現が使われるようになったのかも知れません。ある意味で原始的なフェイク動画の手法ですので、事実誤認が生じないような配慮は必要です。
注:このサイトでは筆者の意見を加えていますので一般的な解釈とは異なることがあります。
【関連用語】
1. インサート
特定のものをクローズアップで切り取って挿入することを指します。 例えば、登場人物が手に持っている手紙の一部を大きく映したり、時計の針が刻々と進む様子をクローズアップで映したりするなど、シーンに詳細を加えたり、視聴者の注意を特定の箇所に集中させたりする効果があります。
2. モンタージュ
複数の短いショットを連続して繋ぎ合わせ、ある概念や感情を表現する編集技法です。 時間の経過、感情の変遷、アイデアの連想などを視覚的に表現することができます。ニュース映像でよく見られる、様々な出来事を短時間で駆け足で紹介する手法もモンタージュの一種です。
3. カットバック
2つのシーンを交互に切り替える編集技法です。 主に、異なる場所や時間で進行している2つの出来事を並行して描く際に使われます。例えば、犯人が逃げるシーンと警察が追跡するシーンを交互に見せることで、緊張感を高めることができます。
4. ジャンプカット
時間的な連続性を無視して、ある瞬間から別の瞬間へいきなり切り替える編集技法です。 時間の経過を早めたり、登場人物の心理状態の変化を表現したりする際に使われます。
5. カットアウェイ
メインのシーンから一時的に離れ、別のシーンを挿入する編集技法です。 例えば、会話シーンの途中で、会話の内容に関連するオブジェクトをクローズアップで映したり、登場人物の表情をアップで映したりすることで、シーンに深みを与えることができます。
【映像編集の基礎知識】
【カット割とはなにか】
【カメラワークとカット割】
【カット割りとカメラワークと編集】