動画・映像制作用語
【座布団】
zabuton
「座布団(ざぶんとん)」とは、テロップ(スーパー)の背景に配置した図形のことです。ベースになる映像の濃淡や模様に重なって読みにくい文字の視認性を良くしたり、画面デザインの完成度を高めるために使用されます。
使用場面
クライアントに「ここの文字が背景に埋もれて読めないので直してください」と言われたら「では、座布団敷きますね」というように使われます。「文字の下に座布団がある」という表現から連想する画像で、イメージを共有しやすいことから定着した表現かと思います。
白い背景に白い文字や、暗い背景に黒い文字は、文字色とコントラストを成す輪郭(エッジ、シャドーなど)をつけることで視認性を上げることができますが、その映像作品の編集パターン上、輪郭をつけたくない時や、画面をグラフィック的にデザインしたい時に使用します。通常、単色でいくらか透過させた上に文字や図形を配置します。
テロップのエッジやシャドーを好ましく思わないクリエイティブ
映像編集をしながらテロップを入れていくと、背景が白っぽかったり暗かったりして、テロップ色を1色で押し通すことが難しい時、一般的には輪郭をつけることで文字色の一貫性を保持します。あるいは、白文字と黒文字の2色を使い分けることで視認性を確保する方法もあります。しかし、高解像度の美しい画面では、文字に輪郭をつけると画像の美しさが損なわれると考えるクリエーターが増えてきたため、ひとつの妥協策として文字と図形をグラフィックデザイン的に配置したり、さらにその文字や図形にモーションをつける「モーショングラフィック」が多用されるようになりました。

【関連用語】
1. あご、あし、まくら
あご(顎)は食費、あし(脚)は交通費、まくら(枕)は宿泊費のことを指し、出演ギャラとは別途に支払われることを「あごあしまくら付き」と言います。
2. けつかっちん
今の現場の次に、時間の余裕なく仕事が入っているときに「私、けつかっちんなの」と言います。
3. なめる
「なめる」という撮影技法は、カメラとメインの被写体の間に別のオブジェクトを配置し、そのオブジェクトにピントを合わせながら、徐々にメインの被写体にフォーカスを移していく手法です。まるで、カメラが被写体を「なめる」ようにフォーカスが移動することから、この名が付いています。
4. 尺
昔から映画のフィルムの長さの単位はフィート(30.48cm)が使われ、上映時間もこのフィルムの長さ(フィート)で表す習慣がありました。で、昔の 日本は尺貫法。1尺は30.3cmなので、フィート≒尺でいいだろう、ということで映画の「時間の長さ」のことを「尺」と呼ぶようになったそうです。