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今どんな採用動画を作ればいいのか|企業事例から見る現在の採用映像

56 分前
読了時間: 17分

会社紹介、社員インタビュー、1日密着、職種紹介、説明会動画、SNS向けショートなど、近年は一本の採用動画ですべてを伝えるのではなく、採用活動の段階や応募者が知りたい情報に応じて、複数の映像を使い分ける企業が増えています。実際の企業事例をもとに、現在どのような採用動画が作られ、何を目的に、どこで使われているのかを紹介します。


インタビュー撮影する社員たち
採用動画を内製する企業がますます増えてきた

目次

  1. まず、求職者は実際に何を見ているのか

  2. いちばん大きな変化は「宣伝」から「判断材料」へ

  3. 現在よく作られている採用動画を分類すると

  4. 製造業は「何を作っている会社か」より「そこで何をするのか」

  5. 製造業でも、専門職採用では完全に「職種別」になっている

  6. 建設・物流・製造現場では「1日密着」が非常に強い

  7. 「社員インタビュー」も変わっている

  8. 医療・介護では「教育」と「1日の流れ」が中心

  9. 介護では「仕事の魅力」より「働き続けられるか」

  10. IT企業は「カルチャー紹介」から「仕事内容」へ

  11. 一方、サイボウズは「説明会そのもの」を動画にしている

  12. そして「非公開の採用動画」がかなり存在する

  13. つまり採用動画は「ファネル化」している

  14. 動画の目的も「応募を増やす」だけではなくなった

  15. では「縦型ショート」が主流になっているのか

  16. 映像表現については、むしろ派手さが後退している

  17. 企業規模・業種別にまとめると

  18. 特に重要なのは「1本完結型」が弱くなっていること

  19. 映像制作会社から見ると面白い変化があります

  20. 2027年度の採用動画の本流

  21. 採用動画に求められる「プロらしさ」も変わっている

  22. SynAppsが考えるこれからの採用動画制作



2025年以降、とくに2026年の新卒・中途採用を中心に、企業の採用サイト、公開動画、採用支援会社の事例、求職者調査をみると、最近の採用動画は、以前のような「会社の魅力を2〜3分で格好よく見せる採用PV」からかなり離れつつあります。


現在の採用動画の潮流は、応募者が入社を判断するために必要な情報を、採用プロセスの各段階で動画にして見せるという方向に進んでいます。

つまり、1本の「採用動画」を作るのではなく、採用活動自体を映像コンテンツ化する方向です。



1.まず、求職者は実際に何を見ているのか


2026年7月、就職活動経験のあるZ世代1,003人を対象にした調査では、実際に視聴したことのある採用動画は、

種類

視聴経験

会社説明・事業紹介

63.7%

社員インタビュー

48.9%

社員座談会・対談

30.2%

でした。つまり、SNSで目立つ縦型ショートや派手な採用CMよりも、実際には会社説明と社員インタビューが圧倒的に基本コンテンツです。HRプロ


さらに興味深いのが、動画を見るきっかけです。

採用サイト・企業HP 46.5%、就職情報サイト34.3%、企業から送られてきたメール等34.1%、YouTube・SNSで流れてきたもの27.1%、自分で検索19.6%でした。動画視聴端末には78.3%がスマートフォンを使っています。HRプロ


したがって、

「採用動画=TikTokやYouTubeで見つけてもらうコンテンツ」

ではなく、

企業を知る → 採用サイトへ行く → 動画を見る → 応募するか判断する

という使われ方が大きいのです。



2.いちばん大きな変化は「宣伝」から「判断材料」へ


これが今回調べていて最もはっきりした傾向です。

2026年の同調査では、採用動画に期待するものとして、

  • 説明が分かりやすい 36.8%

  • 情報量が充実している 31.8%

  • 短時間で要点がまとまっている 30.0%

となっています。

そして採用動画への不満として「良い面ばかり強調されている」という問題も指摘されています。HRプロ

つまり「Z世代だから短くすればよい」という単純な話ではありません。

30秒にすることより、3分見たら3分ぶん会社のことが分かることの方が重要になっています。

これは採用動画の作り方としてかなり重要な変化だと思います。



3.現在よく作られている採用動画を分類すると


実際の企業事例をかなり見ましたが、大きく分けると次の8種類です。

タイプ

主な目的

最近の傾向

会社・事業説明

企業理解

情緒PVより具体的説明

職種・部門紹介

仕事内容理解

職種別に細分化

社員インタビュー

人・社風理解

本音・具体的経験

1日密着

入社後の疑似体験

急増している

座談会・クロストーク

人間関係・文化

台本感を減らす

コンセプトムービー

認知・ブランド形成

現在も存在

説明会動画

採用業務効率化

オンデマンド化

ショート動画

認知・入口

Instagram・TikTok・Shorts

最近特に伸びているのが、

職種紹介1日密着社員の本音説明会アーカイブ

です。



4.製造業は「何を作っている会社か」より「そこで何をするのか」


製造業は採用動画との相性が非常に良いようです。

たとえばNGK(旧日本ガイシ)は採用サイトに独立した「動画ギャラリー」を設けています。

会社紹介だけでなく、

  • ICTセンター

  • 各部門

  • 社員

  • 仕事内容

というようにコンテンツを分けています。

会社紹介動画も約22分あります。採用担当社員が事業、技術、海外勤務、給与、社員食堂などまで説明しています。NGK株式会社

これはかなり象徴的です。

昔の感覚なら、

22分の採用映像なんて誰が見るんだ

となるところですが、現在は「企業研究の資料」として成立しています。



イノアックの例


イノアックは最近テレビCMの出稿量が目立つ企業のひとつですが、2025年、新卒採用用のコンセプトムービーを公開しました。

目的を明確に、

「製造業=きつい・汚い・危険というイメージを払拭する」

としています。


出演者は全員社員。「イノアックで働いたらどうなるか」を想像できる映像にしています。採用イベントと公式サイトで使用しています。イノアック

これは従来型の企業イメージムービーに比較的近い例です。

つまりコンセプトムービーが消えたわけではありません。

ただし、その後ろに具体的な仕事情報を置く構造になっています。



5.製造業でも、専門職採用では完全に「職種別」になっている


デンソーのソフトウェア人材採用サイトが典型です。

「デンソー」という会社を説明するのではなく、

「デンソーでソフトウェアエンジニアとして何をするのか」

を独立して説明しています。

クラウド、プラットフォームなど技術分野単位で情報を分け、イベント動画のアーカイブも用意しています。デンソー

大企業ほど、

全社採用動画一本

から、

機械系電気系IT研究開発営業管理系

のような採用対象別コンテンツへ移っています。

これはBtoB企業にとって特に重要です。



6.建設・物流・製造現場では「1日密着」が非常に強い


大林組では若手土木社員の1日に密着する動画が作られています。

パンフレットにQRコードを設け、動画へ誘導する構成で、

  • 現場で何をするのか

  • 若手社員がどんな立場なのか

  • 何を難しいと感じるのか

  • 仕事の喜びは何か

を見せています。パドルデザインカンパニー

この考え方は物流でさらに顕著です。

シンワ・アクティブという物流企業の採用YouTubeでは、約2年間に99本を公開。

公開84本の長尺動画について分析すると、

1日密着動画の平均再生7,662回に対して、座談会は821回

で、約9倍の差がありました。StokedBase

これは面白い結果です。

物流・工場・建設などは「仕事そのものに画がある」ので、

社員に仕事について語らせるより、実際に仕事をしているところを見せた方が情報量が多い。

採用動画の本質にかなり近いと思います。



7.「社員インタビュー」も変わっている


社員インタビュー自体は昔からあります。

ただ最近は、

入社した理由やりがい今後の目標

というテンプレートだけではなくなっています。

具体的に、

  • 朝何時に出社するか

  • どんな案件を担当しているか

  • 入社直後に困ったこと

  • 上司との関係

  • 研修

  • 転勤

  • 残業

  • キャリア

  • 失敗した経験

といった応募者が本当に知りたい質問へ寄っています。

採用動画に「会社の良い面ばかり出てくる」という不満があるため、企業側も「リアル」「本音」をかなり意識するようになっています。HRプロ



8.医療・介護では「教育」と「1日の流れ」が中心


医療業界も非常に分かりやすい傾向が出ています。

社会医療法人祐生会は2026年に看護師採用動画として、

「新人看護師の1日のスケジュール」「看護部の教育体制」

を公開しています。出演者も現役スタッフです。recruit.midori-yuseikai.or.jp

福岡赤十字病院は同じ採用コンテンツについて、

90秒Short版と6分Long版

の両方を用意しています。福岡赤十字病院採用サイト

これは現在の採用映像の設計として非常に象徴的です。

ショートか長尺か

ではなく、

ショート+長尺

なのです。

短尺は入口。長尺は検討材料。

役割が違います。



9.介護では「仕事の魅力」より「働き続けられるか」


ケアパートナーが2026年7月に公開したキャリア採用動画では、

  • 休日の取りやすさ

  • 私生活

  • 資格取得

  • キャリアアップ

  • 職員自身の人生

を社員の声で見せています。

目的も「介護・看護・保育等の人材採用強化」と明記しています。ケアパートナー

ここでは「感動的な介護の仕事」を強く押すより、

この会社なら自分自身の生活を維持しながら働ける

ことを伝えています。

人手不足業種ほどこの傾向は強いようです。



10.IT企業は「カルチャー紹介」から「仕事内容」へ


IT企業も興味深い変化があります。

メルカリは採用サイト刷新について、自社で明確に

「カルチャー訴求からプロダクト/事業訴求へ」

と説明しています。

社内ヒアリングで、

「メルカリがどういう会社かは分かる。しかし自分がそこでどう活躍できるのか分からない」

という問題が明らかになったためです。株式会社メルカリ - 採用情報

これは採用映像にもそのまま当てはまります。

「うちはこんなカルチャーです」

から、

「あなたはここで何をすることになるのか」

への変化です。



11.一方、サイボウズは「説明会そのもの」を動画にしている


サイボウズでは、現在の新卒・中途募集ページに

会社説明会は動画でのみご視聴いただけます。

と明記されています。サイボウズ

つまり動画は広報コンテンツではなく、

採用プロセスそのもの

になっています。

以前なら、

人事担当者が説明会↓質疑応答↓応募

だったものが、

会社説明=オンデマンド映像↓イベントや面談=人間が対応

になっています。

これは今後さらに増えると思います。



12.そして「非公開の採用動画」がかなり存在する


ここは今回の調査で非常に重要でした。

GoogleやYouTubeで採用動画を検索しても、採用映像市場全体は見えません。

かなりの動画が、

限定公開応募者だけ説明会参加者だけ選考通過者だけ内定者だけ

に配信されているからです。

実例があります。

丸善製薬は2027年卒向け会社説明をYouTube限定公開で配信しています。目的として社風・雰囲気・入社後の仕事理解を挙げています。丸善製薬株式会社

キヤノンシステムアンドサポートには、

「限定公開 1日密着動画」

があります。さらに、

「内定者限定 リファラル採用説明動画」

まで存在します。Canon(Japan)

セリアも2026年8月に「新入社員動画を限定公開」と案内しています。株式会社セリア 新卒採用サイト



13.つまり採用動画は「ファネル化*」している


現在の状況を私なりに図式化するとこうなります。


認知

↓

15〜60秒ショートコンセプトムービーSNS

↓

興味

↓

会社紹介事業紹介ブランドムービー

↓

企業研究

↓

部門紹介社員インタビュー1日密着オフィス・工場紹介

↓

応募判断

↓

会社説明会動画職種説明給与・制度・研修FAQ

↓

選考中

↓

社員メッセージプロジェクト紹介追加インタビュー限定動画

↓

内定

↓

社員・経営者メッセージ内定者向け動画職場紹介オンボーディング関連


これはかなり大きな変化です。


*ファネル

英語で「漏斗(ろうと・じょうご)」を意味する言葉で、ビジネスやマーケティングにおいて顧客が商品を認知してから購入・発信に至るまでのプロセスをいくつかのフェーズに分けて可視化したフレームワークのこと



14.動画の目的も「応募を増やす」だけではなくなった


現在企業が動画に期待しているのは、母集団形成だけではありません。むしろ、


  • 説明会参加率

  • 応募率

  • 選考辞退防止

  • ミスマッチ防止

  • 内定承諾

  • 入社後定着


まで含まれています。


採用動画サービスでは、選考フェーズごとに限定URLを候補者へ送り、視聴率や離脱ポイントまで測る仕組みも実用化されています。moovy

たとえばミツワ電機では、社員動画を会社説明会や内定者向け職場見学で使った事例が紹介されており、ノバシステムでは選考通過連絡や内定者フォローに社員動画を送っています。これらはサービス提供会社側の事例数値なので市場全体を示すデータではありませんが、動画が応募前だけでなく選考途中にも使われていることは確認できます。moovy



15.では「縦型ショート」が主流になっているのか


ここは少し注意した方がいいです。

制作会社やSNS運用会社の記事を読むと、

これからはTikTok縦型ショートZ世代

という話が非常に多い。

確かにショート動画は増えています。InstagramやTikTokを採用に使う企業もあります。株式会社ベクトル|VECTOR INC.|PR会社


しかし実態調査を見る限り、

ショート動画が採用動画そのものを置き換えたわけではありません。

会社説明動画63.7%、社員インタビュー48.9%という数字を見ると、むしろ従来型の「企業研究動画」の需要はかなり強い。HRプロ

したがって、

縦型ショート=認知横型中長尺=理解

という役割分担だと考えた方が実態に近いと思います。



16.映像表現については、むしろ派手さが後退している


もちろんシネマチックなコンセプトムービーは現在もあります。

ただし調査した範囲では、増えているのは、


  • インタビュー

  • 密着撮影

  • 座談会

  • 現場撮影

  • 説明

  • ドキュメンタリー

  • FAQ


です。

つまり映像技法として革新的な方向ではありません。

むしろ、

「何を映せば応募者の不安が一つ消えるか」

を重視する方向です。

ここは企業映像制作会社から見ると、かなり重要な市場変化だと思います。



17.企業規模・業種別にまとめると

企業・業種

採用課題

作られている映像

大手BtoBメーカー

事業が分かりにくい

事業・技術・職種・社員

製造業

工場勤務のイメージ

現場密着・工場・社員

建設

仕事内容が見えない

現場密着・若手社員

物流

人手不足・離職

1日密着・施設・仕事

IT

人材争奪・仕事内容

プロジェクト・技術者・カルチャー

医療

不安・教育体制

新人の1日・教育

介護

人手不足・定着

職員・勤務環境・キャリア

大企業一般職

企業理解

部門別・社員別

地方中小企業

知名度不足

社長・社員・仕事・職場

有名消費者企業

仕事が知られていない

裏側・社員・職種


18.特に重要なのは「1本完結型」が弱くなっていること


以前の採用映像なら、5分程度の会社紹介+社員インタビュー一本で全部入れたくなりました。現在はむしろ、

会社とは仕事とは人とは職場とは研修とはキャリアとは

を別々に出す方が自然です。

NGKの動画ギャラリーなどは典型です。NGK株式会社

これは制作上も、

「採用動画1本100万円」

という商品より、

「採用映像コンテンツ群」

という商品設計の方が市場に合ってきているということです。



19.映像制作会社から見ると面白い変化があります


特に私が注目するのは、

従来の採用映像の「企画力」の意味が変わった

ことです。

昔なら、

どう感動させるかどう格好よく見せるかどんなコンセプトで見せるか

が企画でした。

いま重要なのは、

応募者は会社の何を知らないのかどの段階で何を不安に感じるのかそれは映像で見せるべきか人に直接聞かせるべきか

という情報設計になっています。

先ほどの2026年調査でも、会社概要・事業内容は「社員に直接聞く」より「動画で得たい」という回答が上回る一方、成長環境や待遇については社員から直接聞きたいという傾向が出ています。HRプロ

これは非常に示唆的です。

何でも動画にすればいいわけでもない。



20.2027年度の採用動画の本流


一言でまとめるなら、

「会社を格好よく紹介する動画」から「そこで働くことを事前に理解するための映像」へ

です。

さらに、

単発の採用PV → 採用フェーズ別の動画群

へ変化しています。

そして「リアル」という言葉が乱用されていますが、その正体は単なる素人っぽさではありません。

具体性です。

仕事をしている。工場が映る。朝から夕方まで追う。若手社員が失敗を話す。給与や制度を説明する。研修を見せる。上司とのやりとりを見せる。

こうした情報が採用映像の価値になってきています。


今回、公開事例だけでもかなりはっきりした構造が見えましたが、限定公開・選考途中・内定者向け動画が相当数あるため、YouTubeだけを眺めても現在の採用映像市場は把握できない、というのも重要な結論です。



21.採用動画に求められる「プロらしさ」も変わっている



今回、各社の採用動画を見ていくと、もう一つ興味深い傾向が見えてきます。

公開されている映像の中には、企画、撮影、編集の一部、あるいは全部を社員自身が行っているのではないかと思わせるものが少なくありません。照明や構図、編集のテンポまで完全に作り込まれた企業映像よりも、少し粗さを残した映像の方が多く見られます。

これは単なる低予算化や制作技術の不足だけではないように思います。



「格好よさ」よりも「実際の職場」が重視される


採用動画では、企業を格好よく見せること以上に、「実際にどんな人が働いているのか」「どんな職場なのか」「そこで働く自分を想像できるか」が重視されるようになっています。

そのため、過度に演出された映像よりも、社員の話し方や職場の空気がそのまま感じられる映像の方が、かえって信頼される場合があります。



採用動画の制作方法は三つに分かれる


現在の採用動画には、大きく分けて三つの制作形態が見られます。


  • 企画から撮影、編集まで社員自身が行う完全な内製。


  • プロが制作しながら、あえて過度な演出を避ける方法です。大掛かりな照明を使わず、社員に台詞を暗記させず、言い淀みや笑い、間、職場の環境音などを残すことで、作り込んだ印象を抑えます。


  • 中間です。企画や出演、日常的な撮影は社員が行い、撮影の一部や編集、音声、仕上げだけをプロが担当する方法です。今後は、このような企業と制作会社の共同制作がさらに増えていく可能性があります。



映像の「ミス」が真実味を生むこともある


一方で、社員が自ら映像制作に挑戦した結果として生まれる、独特の「素人っぽさ」もあります。

たとえば、対談でイマジナリーラインを越えてしまう、カットごとにアイラインが合わない、動作のつながりがおかしい、不必要なパンやズームが入るなど、映像制作の経験者から見れば明らかなミスが残っているケースです。


通常の企業映像であれば修正すべき部分ですが、採用動画では、それが必ずしもマイナスに働くとは限りません。

視聴者は映像文法の誤りそのものを意識しなくても、「広告会社が作った映像ではなさそうだ」「社員が自分たちで作ったのだろう」と感じ取ります。

その不完全さが、結果として社員自身が制作したことの証拠となり、映像に真実味を与えることがあります。


つまり、採用動画では、

技術的な完成度の高さと、情報の信頼感が必ずしも比例しない

という少し特殊な現象が起きています。



「素人っぽさ」と「単に下手」は違う


もちろん、音声が聞き取れない、話の内容がまとまっていない、仕事内容が伝わらないといった問題まで「リアル」と呼ぶことはできません。

重要なのは、素人っぽく見せることではなく、必要な情報を正確に伝えながら、過度な演出によって企業や社員の実像を隠さないことです。

自然な映像に見えても、音声は明瞭で、社員の表情はきちんと見え、話の内容は整理され、視聴者が知りたい情報が過不足なく伝わる。

その状態をつくるには、むしろ高い制作技術が必要です。



採用動画でプロに求められる役割も変わる


採用動画におけるプロの役割も、ここで変わってきます。

以前は、制作技術を駆使して企業を魅力的に見せることが、プロに求められる大きな役割でした。

現在は、むしろ制作技術を前面に出さず、社員の言葉や職場の空気を損なわないこと、そのうえで映像として必要な品質を担保することが重要になっています。

言い換えれば、これからの採用動画では、

「プロが作ったと分かる映像」よりも、「プロが支えていることを感じさせない映像」

が求められる場面が増えていくのかもしれません。



22.SynAppsが考えるこれからの採用動画制作


採用動画を一本完成させて納品するだけでなく、企業内で制作した方が伝わる映像と、プロが担うべき映像を切り分け、企画設計、撮影、インタビュー、編集、内製支援までを含めて、採用活動全体の中で映像をどう使うかを考える必要があると考えています。


SynAppsでは、採用活動のどの段階で、応募者に何を理解してもらう必要があるのかを見極め、会社紹介、職種紹介、社員インタビュー、1日密着、説明会動画、選考者・内定者向け動画などを目的に応じて設計します。

すべてを高額なプロ仕様で制作する必要もありません。企業内で制作した方が伝わる映像と、プロが企画・撮影・編集を担うべき映像を切り分け、必要に応じて内製支援も含めた制作体制を提案します。

採用活動の中で映像をどう使うか。その設計から制作までを支援することが、これからのSynAppsの採用映像サービスです。


映像制作を発注する企業担当者のための情報発信です。

TomizoJInno.jpeg

執筆者・神野富三
名古屋の映像制作会社 株式会社SynApps 代表取締役プロデューサー

シナリオ・演出・編集まで一貫して手がける映像プロデューサー・ディレクターとして、JR東海・トヨタ自動車など200社以上の映像制作に携わる。

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