リフレーム
「リフレーム」とは、撮影時に少し広めに撮っておいた映像素材を、編集段階でトリミングやズームインを行い、最終的な画面サイズや構図を調整する作業のことです。特に、4Kや8Kといった高解像度で撮影しておき、HD(フルHD)サイズの最終作品を作る際に、この「リフレーム」が頻繁に行われます。
1. 具体的なパターン
ズームイン/クローズアップ
全体像を映した映像から、特定の被写体を拡大して見せる。
パン
カメラが動いていない映像でも、編集ソフトによって2点のキーフレームを設定することで、擬似的なパンニングができます。
構図の調整
人物の配置や背景のバランスを、演出上の意図に基づいて整える。
手ブレ補正
編集ソフトのスタビライザー機能を利用して、わずかな揺れや振動を補正し、滑らかな映像にする。
2. よく使われる場面
インタビュー映像の編集
4Kで広めに撮影しておき、編集で顔のクローズアップ、胸から上のバストショットなど、複数の画角を切り替えて編集にリズムを生み出します。
ドキュメンタリーやライブ映像
被写体が予期せぬ動きをした場合、後から画角を調整して最適な構図に修正します。
エスタブリッシュショットの再定義
漠然とした街の俯瞰や景勝地の景観などを捉えた広い映像から、シーンのテーマに必要なエスタブリッシュショット(フレーミング)を切り出すことがあります。
スタビライザー(ジンバル)撮影
手持ち撮影で微妙に傾いてしまった映像を、水平に調整する際に使われます。
スローモーション映像
高速撮影カメラで撮った素材を、微速度でズームイン/アウトすることで、より壮大な印象を与えます。
SNS向け映像の制作
16:9の横長で撮影した素材を、9:16の縦長や1:1の正方形に変換する際に、構図を最適化するために行われます。
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【関連情報】
オートリフレーム機能
再生する端末やプラットフォームに合わせて、映像コンテンツを最も適切な画角(アスペクト比)を自動的に最適化する機能のことを指します。
「元の動画」と「目標の画角」を設定する
元の動画:例えば、横長のテレビ画面(16:9)向けに撮影・編集されたもの。
目標の画角:スマートフォンでの視聴に最適な縦長(9:16)や、Instagram投稿用の正方形(1:1)など。AIが主要な被写体を特定・追跡する
動画内の動きや顔などをAIが認識し、「ここが最も見せるべき被写体だ」と判断します。被写体をフレーム内に収めるように自動調整する
元の動画から、AIが判断した被写体が常に画面の中心にくるように、トリミング(切り抜き)やズーム、パン(画面の左右移動)を自動で行います。ただし、登場人物や被写体が明確ではないコンテンツの場合は、画面は中央に固定され、上下ないしは左右が切り落とされます。

